平成の幕開けとともに産声をあげた当医師会主催の健康教育講演会ですが、順調に回を重ね、無事新たな令和の時代を迎えることになりました。
残暑が続く中ではありましたが天候にも恵まれ、今年も900名を超える多くの市民の方々のご参加を頂き、9月7日(土曜日)にハイスタッフホール大ホール(観音寺市民会館)において、第31回講演会を盛会のうちに開催することが出来ました。今年の講演会は、「すこやかに生きるために」をメインテーマに、「検診受けて健康長寿」をサブテーマとして、香川県医師会、観音寺市、三豊市のご後援を頂き開催いたしました。第1部では、三豊・観音寺市医師会理事の池田宣聖先生から「三豊・観音寺市における内視鏡胃がん検診・ピロリ検診の初年度実態報告」のご講演を頂きました。2018年より当地区でも内視鏡胃がん検診が始まりましたが、219名の受検者のなかから1名の胃がん患者が発見されたとのことです。この方の場合、従来の胃透視検診では発見が難しかったケースと考えられ、胃内視鏡検査の有用性を再確認出来たとのご報告を頂きました。また、中学3年生を対象としたピロリ検査(当地区は香川県では初めての実施地域です)では、1027名(受検率89.2%)の受検者があり、101名(8.9%)の一次検査陽性者を認めております。しかしながら二次検診受検率が63.4%と低値であり、将来の胃がん撲滅のためにも一層の啓蒙活動が必要であるとの報告でした。
第2部では、著名な医師であり作家でもあり、日本のみならず世界を股に活躍されている鎌田實氏を講師にお呼びし、「人生100年時代を生きる」のご講演を頂きました。70歳までお元気に過ごされてきた方、特に女性では100歳近くまで生きる可能性が高いとのことで、すでに人生100年時代は現実のものとなっているとのことです。自分の命、生き方は自分で決めることが大切ですが、100歳まで元気な人生を送るためには、3つのフレイル(身体的フレイル、口腔フレイル、社会的フレイル)に陥らない生き方をすること、そのためには各人の行動変容が必要で、口腔や体の筋肉をしっかり鍛え、若返りのホルモンであるマイオカインを出す必要があることを鎌田先生が考案され、ご自身でも実践されている鎌田式「スクワット」と「かかと落とし」を観衆の方々と一緒に行いながら分かりやすく説明して頂きました。小生も数ヶ月前から下半身強化のためスクワットは実践していたのですが、「鎌田式スクワット」はかなりハードで小生の手抜きスクワットではまだまだ甘いと実感した次第です。
三豊・観音寺医師会主催の健康教育講演会は、来年も開催予定です。人生100年、健康寿命100年を目指した医師会活動を今後とも続けていければと思います。