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■緑内障は早期発見が大切

「目の成人病」として代表的なものに緑内障があります。最近の調査では40歳以上の日本人の5%、つまり20人に1人は緑内障であるとされています。高齢になるともっと、その頻度は増えてきます。めずらしい病気ではないのです。

緑内障は目から入ってきた情報を脳に伝達する視神経という部分に障害が起こり、視野(見える範囲)が次第に狭くなる病気のことです。しかし、その変化は非常にゆっくりで、かなり進行するまで自覚症状はほとんどありません。しかもいったん障害された視神経をもとに戻すことはできません。タイヤの空気圧と同じように眼球にも眼圧があります。眼圧が高いと緑内障になりやすいのですが、眼圧が正常範囲であっても緑内障が進行する人は少なくありません。

緑内障は早期発見がとても大切です。どうやって発見していったらいいでしょうか?まず一番手軽なものとして職場や自治体等が行っている健康診断を受けることです。眼底カメラで眼底写真を撮ってもらえれば緑内障の疑いがあるかどうか、判断してもらえます。「メガネが合わなくなった」といった場合でも気軽に眼科を訪れれば、多くの場合眼底検査をしてもらえますので、緑内障かどうか、知ることができます。

緑内障の診断は眼科医が眼底を観察して判断するのが基本です。緑内障が疑われれば、視野検査を行い、見える範囲が狭くなっていないか調べます。さらに近年はOCTという眼科用の検査機器によって全く痛みもなく視神経の障害を精密に測定することができるようになりました。

緑内障はよく失明する病気と言われます。しかし早期発見し、治療を適切に行えばほとんどの場合、生活に支障をきたすことはありません。治療はまず緑内障用の点眼薬を使用します。これで眼圧を下げることで緑内障の進行を大幅に遅らせることができます。いろいろな種類の薬があります。眼圧や視野検査の結果を見ながら必要に応じて点眼薬が処方されますので、これをきっちりと忘れずに使用していくことが大切です。