イヌ、ネコ、ハムスターなどの動物由来の蛋白はヒトにとっては異物であり、アレルギー体質を持った子どもにとってはアレルギーの原因となることがあります。ペット由来のアレルギーの原因となる物質はその動物の皮膚あるいは唾液や尿中に分泌され、また空中に飛散してしまいます。
以前、気管支喘息のある子どもさんでおばあちゃんの所へ遊びに行くと室内にネコがいて一緒に遊ぶと、顔が赤くなったり、発作が出たりしました。あまり、家の掃除もできていないようでした。子どもの母は嫁姑の関係のためにおばあちゃんに言いにくいというので、外来に来た時に私が「ネコの毛でお孫さんがアレルギーを起こしているので、ネコを飼うのはやめてください。」というと、おばあちゃんは大変驚き、「うちのネコはこの子が生まれる前から飼っているのでそんなことは出来ません。」ときっぱり、やられました。「わかりました。飼うのはやめます。」とご理解いただけるかと予想していましたが、このおばあちゃんのペットに対する思い入れは孫よりも強いものでした。ネコは家族なのでしょう。家族の一員として動物を世話し可愛がったりすることは、子どもにとっても弱者への思いやり、愛情の発露、世話する責任の重さ、命の大切さを知るいい機会にもなりますが、アレルギーのある人が家族にいる場合は別です。
ペットとの接触によって症状の出る子どもの場合、ペットを飼うのはやめてほしいのですが、以下の工夫でペットを飼うことは可能かも知れません。
- 空気清浄器をつける
- 掃除機かけ、布団干し、部屋全体の拭き掃除
- ペットは週1回は洗い、ブラッシングする
- イヌはできれば室外で
- 室内飼いのイヌ・ネコはできれば部屋を限定、寝室に入れない