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健康情報
■ 血圧の薬ってのみ始めたらやめられないの?

健診などで血圧が高めの方によくされる質問に「血圧の薬はのみだしたら一生続けないといけないと聞くのですが?」というものがあります。こういうときに次のように説明させていただいています。

「高血圧の治療」は原則として一生続けてもらうことになります。

なぜならば、高血圧の薬は治療薬ではなく予防薬だからです。
高血圧の治療の目的は、血圧の値をさげることではなく、動脈硬化によって起こる脳梗塞や心筋梗塞・腎不全などの病気を予防することなのです。
風邪薬のように、風邪が治ったからもう治療はやめるというわけにはいきません。

「高血圧の治療」が有効であったかどうかは、一生を終えられるときにしかわからないのです。もしも脳梗塞や心筋梗塞・腎不全などの病気にならずに一生を終えられれば、「高血圧の治療」は成功したことになります。
逆に、「高血圧の治療」を受けずに、運悪く脳梗塞や心筋梗塞になったり、透析を受けなくてはならなくなったとき、それからいくら「高血圧の治療」を一生懸命してももう元の体には戻れないのです。
もちろん、血圧が正常でさえあればよいわけではありません。高血圧以外にも喫煙・糖尿病・高脂血症などを放置しても同じことがいえます。

ここで勘違いしないでほしいことがあります。
「高血圧の治療」とは血圧の薬を服用していただくことだけではありません。むしろ、血圧の薬は補助の治療法だと思ってください。

「高血圧の治療」でもっとも大事なのは、ストレスと上手につきあい、食事の塩分を減らし、適度な運動をして肥満にならないことなのです。実際に生活習慣を変えていただくことで、高血圧の薬をのまなくてよくなる方や薬の量が減る方がいらっしゃいます。ですから、高血圧と診断を受けたからと言ってすぐ、血圧の薬を服用しなければいけないわけではありません。ですが、多くの患者さんは1〜3種類の治療薬の助けがないと血圧を正常に保てないのも事実です。血圧の正常値は、年齢や高血圧以外の病気(糖尿病・心臓病・腎臓病など)をもたれているかでそれぞれ違います。場合によっては、最高血圧が130mmHgとそんなに高い値でなくても薬を飲むように勧められることもあります。

高血圧の治療薬はたくさんの種類がありますが、定期的に検査を受けていれば、ほとんどが10年以上服用してもほとんど副作用はでません。もし主治医の先生から勧められたら、あまり心配せずに服用してください。

 最後に、減塩について簡単に説明しておきましょう。

高血圧の方の1日塩分摂取量を6g未満にする必要がありますが、なかなか濃い味に慣れた方には難しいようです。調味料の量を量っていただくのがベストですが、実際にはなかなか難しいことです。
とりあえずはつぎのような方法をお勧めしています。

自宅で食事を調理される方には

  • 加工食品をできるだけ減らして、新鮮な素材を選んでいただく。
  • あらかじめ調理された物には醤油やソースをかけるのをやめていただく。そのために食卓には調味料を置かないようにしていただく。
  • 調理には塩・醤油・みそなどの塩分を含む調味料を少なくして、カレー粉・唐辛子・山椒などの辛み調味料や酢などの酸味調味料で味付けをしていただく。

外食をよくされる方には

  • うどん・ラーメン・そばなどの麺類を食べるときは汁をできるだけ残していただく。
  • 弁当などについている調味料は使わないでいただく。
  • 弁当や定食についている漬け物や佃煮は残していただく。

夏場になると、熱中症対策として「スポーツドリンク」などを勧める報道や宣伝がよく聞かれますが、外出して体を動かして汗をたくさんかいたとき以外は、水やお茶で十分水分補給ができます。スポーツドリンクを摂りすぎると塩分摂取量が増えますので注意してください。

血圧が高くても自覚症状のある人はほとんどいません。ですから治療の効果をみるためには血圧を日々チェックすることが望まれます。最近は家庭用の血圧計が普及して値段も手頃になってきています。治療を受けておられる方は、自宅で血圧測定されることをお勧めします。

生活や食事に工夫することで、脳梗塞や心筋梗塞と無縁の一生を目指しましょう。