日本のドライアイ患者は推定800万〜2200万人です。高血圧が4000万人、糖尿病が700万人ということですので、ドライアイは国民病と言ってもよいでしょう。
生活習慣の変化、具体的にはエアコン、コンタクトレンズ、パソコンやスマートフォンの普及などがドライアイの増加に拍車をかけているようです。特にコンピューター作業をすると瞬きの回数が通常の3分の1に減るといわれています。瞬きは目の表面に新鮮な涙を送り込む働きがあります。これが3分の1に減ってしまうのですから空調の効いたオフィスでパソコンを見ながら事務仕事をする、というような生活は眼への負担が大きいといえます。
全都道府県の相対湿度ランキングで我が香川県は当然乾燥しており40位です。ちなみに一番湿度が高い1位は富山県、乾燥している47位は東京都です。香川県に住むことはドライアイには不利に働いてしまいます。
ドライアイの治療の第一歩は当然目薬です。これまで点眼薬では砂漠に水をジョウロでかけるような治療しかなかったのですが、眼表面からの水分分泌そのものを促す点眼薬や、眼表面の水分ののりを良くする働きのあるムチンというタンパク質の分泌を促進する点眼薬が医療機関で処方出来るようになり、ドライアイ治療はこの数年で劇的に進歩しました。
これらの点眼薬は世界中で日本でしか使えません(2013年4月現在)。日本はドライアイ治療では世界の最先端を進んでいるといっても過言ではありません。
ドライアイには大きく分けて2つのタイプがあります。一つは涙の量が減ってしまう分泌減少型、もう一つは分泌量に問題はないけれど、どんどん乾いてしまう蒸発亢進型です。
分泌減少型は乾燥感や異物感など、いかにも乾いた感じの自覚症状が多いのに対して、蒸発亢進型は何となく見えにくいとか、眼が疲れるといった症状を自覚する場合が多く、ドライアイなのに「涙が出る」という症状まであります。これは反射性分泌といって乾いた分の涙を補おうとして涙の分泌が促進されるために生じる症状です。- 乾く
- コロコロする
- 痛む
- まぶしい
- かすむ
- 重い
- めやにが出る
- 充血
- 疲れる
- 涙が出る