昔ながらの暖房器具として知られている湯たんぽ。
最近では家電量販店の店頭でも見かけることがあります。そんなエコな湯たんぽですが、長時間使いすぎて「低温やけど」になるケースもあるため御注意下さい。
低温やけどは、あまり熱くない熱源に長時間触れていた時に起こります。
44度で3時間20分、46度なら1時間半、50度では2分45秒で症状が表れ、熱さや痛みを感じないため、皮膚の深い部位の組織が壊死して重症となる傾向があります。
多くは百円玉位の受傷面積のことが多いのですが、深く損傷しているので治療が1カ月、2か月位の長期間要する事があります。
湯たんぽの表面の温度はいったいどれくらいでしょうか?
室温を10度に保ち、ポリエチレン製の湯たんぽと、亜鉛メッキ鉄板性の湯たんぽ、それぞれを用いて行われた実験があります。
沸騰させた熱湯を湯たんぽに注いでふたを閉め、カバーをした後、2枚の毛布の間に置き、湯たんぽ本体の表面と、カバー表面の温度をそれぞれ測定したところ、カバー表面の温度が、やけどを起こす可能性のある45度以上に6時間以上の間保たれました。
また、2リットル以上入る大きな湯たんぽでは、保温性がよいため、12時間後も50度を超えていました。
湯たんぽを初めて使ったその翌朝、すねに水膨れの低温やけどを生じたケースや、寝たきりの高齢者を家庭で介護中に湯たんぽを使って低温やけどを生じたケースもあります
低温やけどの防止には
- 湯たんぽは布団の温めだけに使い、就寝時は布団から取り出す。
- 一定時間ごとに位置を変え、体の同じ位置に触れ続けないようにする。
- 厚手のバスタオルで包む。
などの工夫が必要となります。
春が来て一度片付けた電気アンカを四月の寒い夜に再び使用し、その時、温度設定を間違えて翌朝すねに低温やけどを生じたケースがあり、湯たんぽ以外でも 使い捨てカイロや電気あんか、ホットカーペットでも同様なことが起こりえるので注意が必要です。
寒さの厳しくなるこの季節、湯たんぽ等を使用の際はお気を付け下さい。