■DOHaDへの対応:生活習慣病の予防は胎児期から(第46回学校医部会)
-小児のよりよい成長を目指して-
三豊・観音寺地区(三観)では2014年から母子健康手帳の増補版であるMyカルテというものを配布して、地域のNon-Communicable Diseasesに対する先制医療を模索しております。
その一環として昨年度より、3歳児健診でadiposity rebound(脂肪反跳)に着目して将来の生活習慣病を予防しようとの話を始めました。実際には3歳児健診にて、MyカルテにあるBMI(カウプ)曲線を確認し、1歳半と3歳におけるBMIの変化より将来の生活習慣病のハイリスク者をスクリーニングした上で、そこへ介入しようとするものです。そのような点から今後、三観においては3歳児健診を充実したものにしてゆこうと考えております。
では、実際に3歳児健診を通して指導するというときに、何が問題となるかを考えたところ、その一つに未熟児のキャッチアップがどの様にあるべきか?ということが問題になると想定されました。
この度は、DOHaDについて復習したうえで、Small for Gestational Age児に焦点を当てSGA児のもつリスクや成長過程を国内外の文献を交え、そして髙屋先生が行われた出生前後のミスマッチに関する研究などをもとにお話しいただきました。
現在、未熟児のcatch upに関するエビデンスはいくつか見られますが、こうあるべきだというに足るエビデンスの集積は十分ではありません。
そのような状況ではありますが、乳児期の急激なcatch upは良くないことや在胎週数が短いこと、特に満期産であるかどうかという点は未熟児の将来にとって十分配慮されるべき事柄であるということでした。
また、SGA児は低身長のリスクが高く、思春期も早発傾向にあるため、身長に関するフォローは注意深く行い、低身長が疑われる場合は早期発見・早期治療につなげることが重要であるとのお話でした。