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健康情報
■RSウイルス(respiratory syncytial virus)感染症

RSウイルス感染症は乳幼児がゼイゼイいったり、ひどい咳を引き起こす病気で、冬季に流行することが多いですが、インフルエンザが流行すると、なりを潜めます。

2歳までには全ての子供が罹りますが、終生免疫は獲得されません。すなわち、何度もかかるのです。たとえ、同一シーズン内でも。そして、大人でも。

症状は4〜5日の潜伏期の後、水ばなや咳が出始めます。RSに罹ってもほとんどが鼻かぜや、ゼイゼイいう風邪で治ってゆきますが、残り数%の乳幼児や免疫不全者で重症化することがあります。そのため、ゼイゼイいっている子供の中でも、医師は重症化しそうな子供をチェックするため検査をするのです。全員検査するものではありません。

重い症状として、乳幼児における肺炎の約50%、細気管支炎の50〜90%がRSV感染症と報告されています。合併症として注意すべきものに、赤ちゃんの無呼吸、ADH分泌異常症候群(イオンバランスが崩れてしまう病気)、急性脳症などがあります。

何度も感染を繰り返しながら、徐々に、罹っても症状が軽くて済むようになります。そのため、年長児や成人が再感染した時、重症となることは通常少ないのですが感染源にはなります。また高齢者では時に気管支炎や肺炎を起したり、施設内での集団発生も報告されています。

治療は対症療法が基本で、抗生剤のようなものはありません。ワクチンはないのですが、近年、早産児、慢性肺疾患や先天性心疾患を持つハイリスク児に対し、ヒト化抗RSV-F蛋白単クローン抗体(パリビズマブ)の予防投与が行われています。

また、飛沫感染あるいは鼻汁や喀痰中のウイルスが手指や器物を介して感染し、乳幼児では3〜4週間ウイルスが排泄される事があります。予防には、手洗いや消毒用アルコールが有効です。

登園基準:夜の睡眠やお昼寝がしっかり出来て、食欲もあり、咳が少なくなれば登園も可能です。