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健康情報
■夏場の脳梗塞

脳梗塞は脳の血管が詰まってしまう病気です。ただどこの血管が詰まるかで症状は色々です。軽いしびれ感程度で終わることもあれば、言語障害が出たり半身麻痺で歩けなくなったり、最悪の場合命にかかわることもあります。もともと血管に細い所がありそこが詰まったり、心臓や首の血管にあった血の塊の一部が脳に飛んでいき脳の血管をふさいでしまって起こることもあります。気温が下がり血圧が上がりやすい冬に起こるというイメージが強いと思いますが、実は夏にも多く起こっています。夏は大量に汗をかき体の中の水分が不足しがちとなります。この時適度な水分補給をしないと血液が濃くなり粘りを増し、つまり血液のさらさら加減が落ちるため血管の中で血が固まりやすくなってしまいます。脳の血管で血の塊が出来てしまうと脳梗塞になってしまいます。また水分不足で血液の量が減ってしまうと、脳の一部に十分な血液が流れず、完全に血管がふさがったわけではないのに、結果的に血管が詰まったのと同じような状態になることもあります。脳以外の血管でも同様なことは起こる可能性があり、それが心臓に起きれば心筋梗塞という恐ろしい病気となります。

暑い時期の中でも、私個人としては暑さを増していく途中の時期に起きることが多い印象があります。暑さに体が慣れず、暑さ対策も不十分であり、ついつい水分補給を怠ったりするからではないかと思います。暑さもたけなわとなった頃にはある程度体も慣れ、意識して水分補給もするようになり脳梗塞も減っていくように思います。とはいえ酷暑の中では引き続いての十分な注意が必要です。なお季節とは関係なく寝る前に一杯の水を飲んだ方が良いとよく聞きます。寝てしまうと朝まで水分を取ることがなく、かつ布団の中で汗をかきます。この時に脱水になり血液が粘り脳梗塞となることもあるからです。トイレに行くのが嫌で水を飲むのを控えているというお年寄りの話を時々耳にします。でも脳梗塞を起こした後の不自由さから比べたらトイレに行く面倒さの方がまだましのように思います。水を飲むだけで太ってしまうということも時々聞きます。よほど心臓や腎臓が悪くない限り水が体の中にたまり続けることはありません。水にはカロリーがありませんので一時的に体重がふえても、ぜい肉になり太ることはないはずです。ぜひとも適度な水分補給はしておきたいものです。

なお不幸にして、しゃべりにくい、半身がしびれたり力が入りにくかったり等々脳梗塞らしき症状が出た場合自宅で何時間も様子を見ずに早目に病院へ行った方がよいでしょう。早い時期に点滴などの治療を開始できれば後々の改善が良いことも多々あります。この記事を皆さんが目にするのは8月下旬以降ですが、まだまだ残暑厳しい頃と思いますので十分注意しましょう。