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■幼小児期のスキンケア その3(第13回学校医部会)
幼小児期のスキンケア その3<遮光のスキンケア> 紫外線防御のスキンケアは、皮膚の老化や癌化を予防するスキンケアです。1999年の母子手帳から日光浴の項目が削除されているのをご存じでしょうか? なぜ幼児期からの紫外線防御が必要なのでしょうか? 疫学的に、小児期の紫外線の急性照射が、皮膚癌発生の危険因子であること。紫外線によるDNAの障害は蓄積性であること。オゾン層の現状(オゾン1%の減少で、地表到達紫外線量が2%増加)。があげられます。また、18歳までに生涯に浴びる紫外線量の約50%を浴びてしまいます。 小児期から不要な日光浴をさければ、光老化や光発癌の80%が防げるともいわれています。2001年、J Dermatol Sciに、Hillebrandらが、「鹿児島女性と秋田女性」の皮膚の比較をしています。紫外線量は、秋田は鹿児島の7割程度です。秋田女性は「しわ」の発生が鹿児島女性より8年遅れていること、秋田 女性は「しみ」の発生が鹿児島女性より16年遅れていること、を報告しています。 紫外線に対するスキンケアは、遮光の一言につきます。紫外線の強い、4月〜9月の午前10時〜午後2時すぎまでの屋外活動をさけるのが大切です。傘や帽子(全周に幅7cm以上のつば が必要)サングラス、衣類で紫外線をさえぎり、日光にあたる皮膚にはサンスクリーン剤をぬる教育が必要です。学校管理者には、プールや運動場に「日よけ」を設置する配慮や、屋外活動の季節や時間帯を考慮していただくようお願いします。 なお、環境省より、紫外線環境保健マニュアル2008(http://www.env.go.jp/chemi/uv/uv_manual.html)も公開されていますので参考にされるとよいでしょう。 <小児のスキンケア製品を選択する時のポイント> 「乾燥肌で、バリア機能不全があり、アレルゲンが侵入しやすい」子供の皮膚に使うスキンケア製品は、弱酸性、保湿に配慮、皮膚や目に刺激がなく、接触アレルゲンを含まないこと、使用感に優れていること、があげられます。何を参考にして選択するかとなれば、製品開発のコンセプト、臨床試験データ、成分表示、などですが、まずは、大人が自分で試してみることです。皮膚病をお持ちの子供の場合には、スキンケアだけでなく、皮膚病の治療が必要なことを忘れてはなりません。 (平成22年7月26日) |