■「学童期の皮膚感染症」その4
<伝染性膿痂疹(とびひ)>
とびひは、湿疹や虫刺されをかき壊して、飛び火するように体のあちこちに広がった状態です。
水疱を伴うもの(水疱性)と、伴わないタイプ(痂皮性)があります。
水疱性の原因は黄色ブドウ球菌が原因で、痂皮性は溶連菌が原因となります。頻度的には水疱性が大部分です。
医師の指示に従って、とびひの部分にはきちんと軟膏を塗り、内服を行ってください。
爪を短く切って手洗いをしっかり行い、おふろは湯船につからずシャワーとしましょう。
とびひになっている部分が他の児に触れないように覆ってあれば登園・登校は可能です。また、皮膚が乾燥してかさぶたになればプールも可です。
<通常疥癬>
ヒゼンダニが皮膚の中に住みついて、夜間に増強する強いかゆみを生じます。
50代以上の人に多いようですが、小児例もあります。
疥癬の感染した児の寝具を1日以内に使いまわしたり、雑魚寝することで感染することがあります。日常生活でうつることは多くありません。
ダニは皮膚の中にトンネルを掘ってそこに卵を産みつけます。すなわち皮膚表面に数mmの疥癬トンネルがみられます。
乳幼児では手足に好発し、男児では陰嚢、陰茎にかゆい丘疹が好発します。
<白癬>
頭部白癬(しらくも)
主として学童期男児の頭髪部に、円形・境界明確で細かいフケがついている様にして始まります。髪の毛は灰色になり容易に折れたり、抜けたりします。自覚症状はありません。
抗真菌剤の内服を行います。
体部白癬(ぜにたむし)
環状に盛り上がった紅斑の状態です。かゆみは強くありません。
抗真菌剤の外用を行います。
人同士で体がこすれあってうつる柔道やレスリングをする人に多い格闘家白癬や犬・猫などからうつる白癬などが紹介されました。
足白癬(水虫)
足指の間に紅斑、びらん、指背には小水泡ができ、爪にも及ぶと(爪白癬)爪は白濁、変形します。