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健康情報
■「学童期の皮膚感染症」その1

<初めに>
学童期に皮膚感染症としてかかわってくる原因はウイルス、細菌、真菌(かび)と様々ありますが、講演の中ではウイルス感染を中心に、日常出会うたくさんの感染症を紹介して頂きました。

<手足口病>
 初夏から初秋にかけて流行する病気で、口内炎が出来ることにより、食事が取りにくいことが問題です。ほとんどが0〜5歳以下の乳幼児に発症しますが、成人例もあります。
 手のひら、足、膝、おしりに丘疹、小水泡ができて、約1週間で消失します。熱は高熱の出ることもありますが、数日で解熱することが多いです。
 原因はコクサッキーウイルス、エンテロウイルスなどが原因となり、中には髄膜炎、脳炎を発症することもあるので、高熱・嘔吐・頭痛などがあるときは気をつけなければなりません。

 また、複数のウイルスが原因となりますので、繰り返しかかることがあります。
 そして、口からの飛沫感染が消失した後も、糞便からの感染(糞口感染)が数週間つづきますから、感染防止のための長期におよぶ登校停止は現実的でなく、おむつを交換したり、トイレの後や、食事のときに手をよく洗うことが大切です。
 熱が下がって、十分食事が摂れ、元気があれば登園・登校可能です。

<伝染性紅斑(リンゴ病)>
 ヒトパルボウイルスB19による感染症で、一度かかると終生免疫ができます。
 まず、風邪症状があり、それから1週間弱ほど後に顔から腕や足に発疹が広がってゆきます。ほっぺはリンゴのように赤くなり、手足にはレース状とか網目状という風に表現される発疹が出現します。
 この発疹は10日間ほどで消失してゆきますが、入浴や運動、日光照射により再び出現することがよくあります。発疹がある場合に戸外で遊ぶ時は、帽子をかぶって日光に当たりにくいようにしましょう。
 初めの風邪症状の時、数日間発熱することがあり、その時期に感染がおこりやすいのですが、この段階で伝染性紅斑の診断をすることは不可能です。そして、紅斑が出現する時期にはすでに感染力を失っていますから、発疹が出て診断がついた時点で登園・登校停止にする必要はありません。
 ただし、妊婦さんが感染した時は、流産や胎児水腫といった事が起こり得るので、リンゴ病が流行しているとき風邪症状のある人は妊婦さんとの接触を出来るだけ避けるようにしたほうが良いでしょう。

(平成22年6月24日)