三豊・観音寺市医師会


HOME

休日当番医

医療機関情報

感染症情報
■睡眠負債

皆さんは睡眠負債と言う言葉を聞かれたことはありますか。
睡眠負債とは睡眠不足が借金の様に積み重なって、あらゆる不調を引き起こしてくる状態の事を言います。

 睡眠負債が怖いのは極端な睡眠不足の方だけがなるのでは無く、毎日6時間ぐらいは寝ており睡眠不足とは無関係と思っている人が、自分では気が付かないうちに睡眠負債が溜まり、仕事や家事等のパフォーマンスが徐々に落ちてしまったり、病気のリスクが高まったりしていることです。

日本は睡眠負債大国と呼ばれ、H20年には睡眠が6時間以下の人は全体の3割以下だったのが、H27年には4割近くに急増、H29年に至っては20歳以下の4割は6時間以下となってきています。

自治医科大学の研究によると、睡眠時間が6時間以下の人は7~8時間の人と比べ死亡率が2.4倍も高くなり、また他の研究では交通事故の死亡率が13%も高まるとの結果も出ています。他にも免疫力が低下することによって、風邪を引きやすくなったり、癌細胞が増殖しやすくなったり、生活習慣病(高血圧、高脂血症)のリスクが高まったり、精神面でもうつ病や認知症になりやすいといわれています。

睡眠負債があるかどうかの見極めは、週末にしっかりと遮光し携帯も時計も無い睡眠に理想的な環境で時間を気にせず寝た場合、通常よりも2時間以上睡眠が長くなる時には、睡眠負債があると思った方が良いようです。

睡眠負債のリスクがあるときにはどうすれば良いかですが、週末に寝だめをして直そうとする人が多いと思います。しかしその場合は逆に生活のリズムが乱れ、日曜日の夜が眠れず平日の睡眠リズムを崩し、睡眠不足で月曜日を迎えたりする事が多くなるとの報告もあります。お勧めするのは平日の睡眠時間を少しずつ増やし、週末も同じ時間を守ることです。20代から50代の働き盛りの世代であれば、睡眠時間は7~8時間必要と言われています。今の睡眠時間が6時間以下であれば少しでも伸ばせるよう、暮らしのスケジュールを見直されたらいかがでしょうか。

高齢者の場合は働き盛りの40~50代と同様に、必ずしも7~8時間寝る必要はありません。7~8時間寝なければと意識すること自体がストレスとなり、かえって眠れなくなることがあるのでご注意ください。

早目に寝床に入ったのにもかかわらず眠れないなどの方は、出来るだけ午前中に太陽の光を視野に入れ(眠りのホルモンと言われるメラトニンの分泌が上昇)、夜はスマホ、ゲームは眠る1時間から2時間前に止め(目に強い刺激が入ると脳が興奮するため)、就寝時は暖色系の暗めの照明に切り替えるなど工夫をしてみてはいかがでしょうか。

一覧に戻る