三豊・観音寺市医師会


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■日本人に急増しているミネラル不足

みなさんは人類の『五大栄養素』をご存じですか?

五大栄養素とは、蛋白質・脂質・炭水化物(=食物繊維+糖質)・ビタミン・ミネラルを指し、これらを必要十分に摂取することが健康の基本です。

けれども「ビタミン不足に注意してフルーツや野菜を摂るようにしている」と言われる方は数多くおられますが、ミネラル不足に注意している方は殆どおられないのではないでしょうか?

ミネラルとは人体中の微量の金属のことで、ミネラルの内もっとも多くかつ重要なものは鉄になります。鉄をはじめとするミネラルは人体の中でさまざまなホルモンなどを合成するのに必要であり、特に脳神経の発達などに重要な役割を果たしています。

体内で合成できないため、人間はビタミンとミネラルを食事から摂取する必要があるのですが、日本人の食事はミネラル不足に陥りやすく、近年特に日本でミネラル不足の方が急増しているのです。

ミネラルは野菜よりも主に肉や魚などの蛋白質に多く含まれています。欧米人は肉を日本人の3倍食べると言われており、また小麦に鉄を混ぜるなど国レベルで対策がとられていることもあって、ミネラル不足はさほど問題になっていないようです。それに対して日本ではミネラル不足が対策されずに放置されています。また昔は包丁や鍋などの調理道具が鉄製だったため、調理の際に自然に食事に溶け出した鉄を摂取できていたのですが、現在は調理具がステンレスになっており、容易に鉄不足をきたしてしまうのです。

1個のブドウ糖から、鉄が足りていると38個以上のATP(エネルギー)を作ることができますが、鉄が不足していると2個のATPしか作ることができません。そのためエネルギー不足になって元気が出なくなってしまいます。ミネラルが足りないために病気になることもありますし、東洋医学でいう『未病』(=病気とは言えないが体の不調があること)の状態になってしまう方も実は多いのです。

ミネラルを補うためには、蛋白質(ビタミンBの多い豚肉、オメガ3を含む青魚、安価で良質の蛋白質である卵、が特におすすめです)をしっかり摂取し、ビタミンやミネラルを浪費してしまう糖質は控える必要があります。食事療法が難しい方は、サプリなどの利用を考えてみるのも一案でしょう。

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