三豊・観音寺市医師会


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■子宮頚がんと子宮体がん
  1. 1) 子宮頚がんと子宮体がん
    子宮にできるがんを「子宮がん」と呼んでいますが、「子宮がん」には、子宮頚がんと子宮体がんがあります。この2つは全く別の種類のがんで、発生の場所や原因、なりやすい年代も進行の仕方も異なります。

    吉川 裕之監修:“子宮頸癌”病気がみえる 第2版 vol.9 婦人科・乳腺外科
    医療情報科学研究所編:136, 2009より改変

  2. 2) 子宮頚がん
    子宮頚癌の方は、がんの原因や発がんの過程がはっきりと解明され、予防できるがんです。原因は、ヒトパピローマウィルス(HPV)と呼ばれるウィルス感染であることが解明されています。HPVは、主に性行為で感染しますが、特殊なウィルスではなく、風邪にかかるように日常的な生活でHPV に感染します。ほとんどは気づかないうちに消えてしまいますが、ごくまれに、持続感染といって、ウィルスが体内に住み着き、その結果、感染した細胞が子宮頸がんに進行する可能性が出てくるのです。
    1. Q1) 自覚症状はあるのですか?
      ほとんどありません。多くの場合、自覚症状がないのが子宮頸がんの特徴です。
    2. Q2) 検診で「異常なし」でしたが、来年はしなくていいですか?
      今年は 「異常なし」でも、HPVに感染していれば、将来病変が発生する可能性があります。また、今はHPVに感染していなくても、来年は感染しないとも限りません。これまでの検診を無駄にしないためにも油断せずに検診を続けて受けてください。
    3. Q3) HPV検査と細胞診はなぜ両方受けたほうがいいのですが?
      細胞診とHPV検査を同時に行えば、子宮頸がんとがんになる前の状態(異形成)をほぼ  100%発見することが可能となります。細胞診は、有効な検査法ですが、20〜30%見落としがあります。このため、同時にHPV検査を受けることが有効ですが、日本ではまだ自費の検査です。また、HPV検査は、将来子宮頸がんになるリスクがあるかどうかも調べることができます。
  3. 3) 子宮体がん
    子宮体部の子宮内膜に生じるがんを子宮体がんといいます。原因のほとんどは、エストロゲンがプロゲステロンに比べ相対的に多くなる状態が長期間続くことで引き起こされます。
    1. Q1) 子宮頸がんの検診をしていれば、大丈夫ですか?
      子宮体がんの検診は、子宮頸がんと発生の部位が違うので代用はできません。
    2. Q2) どんな人に注意が必要ですか?
      子宮頸がんに比べ、子宮体がんになる年代は比較的高齢ですから、閉経後あるいは 更年期での不正出血がある時には特に注意が必要です。閉経前であっても、月経不順、乳がんを患ったことがあるなどということがあればやはり注意が必要です。
    3. Q3) 予防はできるのですか?
      「適正な体重を保つ」「月経不順を放置しない」「脂肪の多い食事をとらない」「低用量ピルをのむ」などで、リスクは減ります。低用量ピルは、元々避妊のために開発された合成ホルモン剤ですが、子宮内膜を非常に薄く保つ働きがあるので、子宮体がんのリスクを下げてくれます。しかし、低用量ピルは、産婦人科専門医の管理のもと適切な服用をしてください。

参考文献:100%予防できる! 子宮頸がん検診ガイドBOOK

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