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■知っていますか?デング熱のこと

『知っていますか?デング熱のこと』

代々木公園の蚊から広まったと言われているデング熱。お隣の愛媛県からも感染者が出てしまいました。デングの語源はスペイン語の「denguero」からきており、英語の「dandy」と同じ意味。日本語に訳すと「洒落男」という意味です。デング熱は、背中に強烈な痛みを伴う病気で、その痛みを庇いながらゆっくりと歩く姿がシャレたように歩いているように見える事から、『デング熱』と名前が付けられたと言われています。

 昨年、ドイツ人の旅行者が日本観光を終えて帰国後、デング熱を発症したと言うニュースがあり驚きました。どうやら日本国内で感染したとのこと。日本人が東南アジアからの帰国後に発症すると言った症例は、年に数十名~200名程度出ていますが、まさか外国人が日本国内で感染か?ということでショッキングなニュースとして取り上げられました。今までの日本には、蚊が媒介する病気は日本脳炎くらいしか認識がありませんでしたが、熱帯や亜熱帯地方に生息する「ヒトスジシマカ」や「ネッタイシマカ」によるデング熱に、それも旅行中の外国人が感染したということで驚いたわけです。しかし『人→人』感染はなく『人→蚊→人』感染で拡大するというので、日本脳炎におけるブタの様な増殖動物も存在しないため、さほどの流行は考えにくく神経質になることもないのでは、というのが一般的な考えです。

 媒介するヒトスジシマカの生息の北限は栃木県、ネッタイシマカは日本では生存できないと言われて来ました。ところが2010年ではヒトスジシマカは青森県で、ネッタイシマカも成田空港周辺で確認されるようになりました。つまりは媒介する蚊も温暖化に伴い北上し、飛行機で日本にやって来た蚊が日常的に日本国内に拡がりつつあるということです。これらの蚊は夜には人を刺しません。刺すのは昼間のみです。室内ではタンスの裏側、ベッドの下、つり下げられた衣服の間などに潜んで、人が近づくのを待ち伏せるタイプの蚊。屋外でも庭や軒先の日陰などで、払っても払ってもしつこく吸血に来て、知らない間に首筋や耳の後ろ、腕の後ろ側など気が付きにくい場所を刺されてしまいます。

初期症状は急激な発熱です。蚊に刺されて3日から1週間後、突然に関節痛(とくに背中・腰)とともに38度〜40度の高熱が出現。頭痛、筋肉痛、眼窩痛、倦怠感などの症状に繋がっていき、1週間ほど続きます。テレビで言われているような典型的な皮疹は出ず、少し顔が赤いかな?程度の事が多いようです。何度かデング熱に感染すると、発熱初日から血小板減少が著しく鼻や歯茎などから出血する「デング出血熱」に移行する場合もあり、それは子供に多く見られます。

 また、犬や猫のペットも感染します。インドネシアでは過去にデング熱に感染した犬から感染が拡がったという事例もあるようです。感染してもペットには症状はあらわれません。元気なのに保菌状態で、感染は血液検査だけでしか確認できません。

 しかし、朗報もあります。ワクチンも開発されつつあり、あとひと息で完成です。

 今までは蚊に刺されても『痒いからいやだな』くらいの認識でしたが、とにかく蚊に刺されない!駆除する!ということしか予防策はありません。自然に恵まれた西讃地域、今後はお昼のお出かけの際には長袖長ズボンの洋服を着たり、防虫スプレーやシールなどで、可愛いペットともども刺されないようにすることを心がけたいものです。