塩分、気をつけていますか? 日本人は世界的に塩分摂取量が多く、高血圧になりやすいと言われています。高血圧は放置すると脳卒中や心筋梗塞、慢性腎臓病を引き起こし、寝たきりの原因にもなる疾患です。
もう一度【塩分摂取】について考えてみてください。平成23年の国民栄養調査の発表では、平成15年には1日あたり11.7g摂取していた塩分摂取が、平成23年には、10.4gまで減少した、とされています。一方で、日本高血圧学会は、健康という視点から1日の塩分量6g以下を推奨しています。香川県人の好きなうどんもつゆまで飲むと1食で約4gの塩分を含みます。これにおにぎりやお寿司、天ぷらに醤油をかけていたら1食で6gを越えてしまいますね・・・おいしいけれど「おつゆ」は残しましょう。
何より最悪なのは『見たら醤油』。時々見かけますが、料理を見たら食べる前に調味料をかけるという濃い味の好きな方。これは、多量の塩分を摂取することになり、将来の病気の原因になります。
最近では肥満と塩分過剰が一緒になると高血圧のため臓器障害がより高度となることが知られています*。いわゆる「塩メタボ」とも呼ばれ、アルドステロンというホルモンが関係していることが分かってきています。
人間の味覚は幼児期から小児期に作られるといわれています。将来の成人病(生活習慣病)を防止し、健康な生活を送るためにも、家族みんなで【塩分摂取】について考えてみませんか?
*メタボリックシンドロームの研究から、脂肪細胞特に内臓脂肪が実は内分泌機能をもった細胞であり、多くのサイトカインを分泌することによって炎症反応の悪化要因としての働きや、代謝異常、ひいては動脈硬化を引き起こしているということが、動物実験だけでなく、ヒトでも知られてきました。TNFαなどによる耐糖能異常誘発による糖尿病誘起・増悪や脂質異常症の促進をもたらすことなども含め、身体慢性炎症としてのメタボリックシンドロームの病態が解明されつつあります。
血圧上昇、血管障害に関してもレニン・アンギオテンシン・アルドステロン系(RA系)の最終産物としてのアルドステロンそのものや副腎からのアルドステロン分泌促進因子(同定まではいっていないようですが)を分泌し、RA系抑制剤で一度軽減した臓器障害が半年〜1年後くらいに再燃してくるというアルドステロン・ブレイクスルーのひとつの要因とされています。そしてアルドステロンは過剰な状態(分泌過剰、またメタボリックシンドロームでみられる受容体機能亢進)で過剰な塩化ナトリウム存在下に慢性血管炎症を起こしてくる、逆に塩分制限が十分になされると慢性炎症がおこりにくいことが実験動物ならびに一部ヒトでもわかってきています。
また、X線を使う検査ですので、従来の約1/3の線量で撮影可能なのも健康に対する悪影響を少なくでき、とても有利な点です。
このように、最新の画像診断機器は、近年増加傾向の脳卒中や心筋梗塞といった、一刻を争う急性疾患の迅速な精密検査、的確な診断そして最良の治療へのスピーディーな流れをつくることができるだけでなく、発症前に検査を行うことでその予防、つまり健康維持に大いに役立つ装置と言えます。また被曝線量の低減など健康への配慮もしっかりとしており、より安全に、必要なときには気軽に利用して頂ける身近なものとなっています。